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ep.470 視聴者からのDM!「恐怖のお便り」視聴者の怖い話を読む 放送内容 参加メンバー Tomo K-suke その他 関連エピソード→ep.552 あなたの近くで起こっている事件簿「箪笥の隙間から見た母の罪」「母親の同僚が犯した罪」後味の悪い2つの事件 名前 コメント すべてのコメントを見る
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ゆっくりに関係する怖い話7話 12KB 実験・改造 同族殺し 共食い 加工場 現代 虐待人間 愛護人間 独自設定 ゆっくりによる人間殺害描写有り 生存ゆっくり有り タイトル:ゆっくり蟲毒 作者名:蛇足あき ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 私が語るのは、とある呪術をゆっくりで試した話……そしてそれに関係する危険性 『蟲毒』という呪術は知ってるかな? 一般的には、毒虫を壷に入れて、最後の1匹になるまで殺し合わせるって方法 ここでいう毒虫というのは、昆虫だけじゃなく、蛇とか蛙とか蚯蚓とか蜥蜴とか蛞蝓とか蝸牛とか…… 獣・魚以外の、地を這う物。漢字にすると『虫』がついている物が該当するんだ 大抵はより強力な呪術の生贄とか使い魔とか……まあ呪術には詳しくないけど、そういった下準備として 用いられる物を作り出すような儀式である事が多かったみたいだ 唯一生き残ったもの。最強の毒虫って寸法でね、よく小説とか漫画とかにも出て来るよね サバイバルだったっけ、ロワイヤルだったっけ…… 男塾って漫画にも似たようなのがあった記憶があるし、ゲゲゲの鬼太郎にもあった筈 それをゆっくりでやったって訳だ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― といっても、ただ普通にゆっくり達を壷に入れる方法じゃない そんな事したら、大抵は捕食者が勝つし、そもそもそんなのが入る壷が無い その呪術をした人は、特殊な方法を使ったんだ まず、植物型妊娠……頭に茎と実が出て来る奴だね それを毟り取って一匹だけ残し、すぐさま茎ごと砂糖水の入った容器に入れる そうして赤ゆっくりから記憶を継承させず、何も知らないゆっくりを作り出したんだ 順調に実らせて、意識が出る前に壷に入れたんだ しばらくして実った赤ゆっくりが落ちる 『ゆっきゅりちちぇいっちぇね!』 落ちた赤ゆっくりは、早速そんな事を言うんだけど、壷の中は真っ暗。誰も返事を返す事も無い 『ゆ!ゆっきゅり!ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!』 赤ゆっくりは返答を得る為に、何度も何度もそんな事を叫ぶ でも当然、何の返答も返ってこない 記憶の継承も無いから、ただ『ゆっくりしていってね』という文字しか知らない 誰がどうしてくれるのか この後どうすればいいのか 自分の姿も動き方も 何もかも知らないゆっくりと 真っ暗で何も分からず 誰も何も居ない壷の中 『ゆっきゅりしちぇいっちぇねえ!!!!』 そんなゆっくりを使って、蟲毒をする事になったんだ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 記憶の継承が無いとは言え、ある程度の自然現象は赤ゆっくりに備わって居る 『ゆっ……ゆっきゅりぃ……』 沢山叫んだ性か、腹も減ってくる とはいえ、食事なんて何処にも無い 探す方法も知らなければ、そもそも歩き方も分からない 自分がどんな容姿かも知らないのに、どうやって動くのか ただ『ゆっくりしていってね』と叫ぶ事の出来る口がある事しか、赤ゆっくりは知らないんだ 『ゆっ……ゆっ……きゅりぃ……』 腹が減って、叫ぶ事も出来なくなっていく そこで初めて、壷の中に茎が入れられたんだ 『……ゆっ!』 音も無く静かに入れられたからか、赤ゆっくりはしばらくの間気付かなかったみたいでね 匂いか何かで茎の存在に気付いたゆっくりは、それを食べようと考えた筈だ とはいえ動き方を全く知らないゆっくり あんよの動かし方も転がり方も そもそもどうすれば移動でき、何処に行けば良いのかも分からない 『ゆっ!!』 それでも、その赤ゆっくりは移動した 方法?知らないよ なんせまだ壷の中だったんだから。この時どんな方法で移動したかなんて、誰も知らないのさ 分かるのは、その赤ゆっくりは茎に辿りついたと言う事 『ゆっ!ゆっ!ゆっくり!』 そして、その茎を食べたと言う事 『ゆっきゅり!ゆっきゅり!!しちぇいっちぇね!』 それだけだ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『ゆっきゅり!ゆっ!ゆっ!』 そんな事を何度も何度も繰り返した 時には茎を置く場所を 時には茎の種類を 時には少しだけを毒を混ぜて 赤ゆっくりは 時に移動したり 時に探したり 時に戻したり 時に克服したり 植物を楽に捕食出来るように変化していった そしてその日、茎の代わりに違うものが壷に入れられた 『ゆっ!』 赤ゆっくりはいつものように、入れられた物を食べようとした 『ゆ!』 でも出来なかった 入れられたものが逃げてしまったんだ 茎の代わりに入れられた物は、蝶だった 今までと違って、逃げる生物を入れたんだ 『ゆ!ゆ!!ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!』 赤ゆっくりは何度も何度も、そいつを食べようと移動した でも今までの移動方法では捕まえられなかった 『ゆ!ゆ!』 この時、赤ゆっくりはなんて思ったんだろうね? どうすれば食べれるのか? どうすれば捕まえられるのか? どうすればもっと早く移動できるのか? どうすれば逃がさないようになるのか? 分からない ただ言える事は 『ゆっきゅり!ゆっ!』 その赤ゆっくりは、蝶の捕食に成功した 運が良かったのか、それとも何か別の方法を使ったのか それは分からずじまいでね 壷を見ていた人も、ただ赤ゆっくりの音声で生存を確認していたのだから ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 虫もやっぱり、様々な物が入れられたよ 蝶のように、逃げるだけの物とか 蟻のように、集団で行動する物とか 蜂のように、攻撃してくる物とか 蝿のように、凄まじく速い物とか 甲虫のように、硬い物とか 全ての虫を、赤ゆっくりは捕食に成功したんだ 『ゆっきゅり!ゆっきゅり!!ゆっきゅりしちぇいっちぇね!』 そしてある日、また違う物が壷に入れられた 『ゆべ!』 ゆっくりだ 『ぷくー!れいむにひどいことするじじいはしんでね!』 『ゆっきゅり!?』 赤ゆっくりにとっては、初めての喋る生物だった 今までにも音を出す物や、鳴き声を出す物は居たけど、ゆっくり程変化がある音を出す生物はいなかった 『ゆ!ゆっくりしていってね!』 赤ゆっくりの言葉に、入れられたれいむが返した 『ゆっきゅり!ゆっきゅり!』 反応したのが面白いのか、赤ゆっくりは何度もそういった 『おちびちゃん、どこにいるの?ゆっくりでてきてね!!』 『ゆ?ゆっきゅり?』 『れいむはここにいるよ!どこにいるかおしえてね!』 そして、恐らくはその呪術をした人にとって、望む事が起きたんだ 『ここ?』 赤ゆっくりが、そう発音したんだ 今まで『ゆっくりしていってね』としか……正確には『ゆっきゅりしちぇいっちぇね』としか発音できな かったのに まあ言葉を知る機会がなかったから、仕方ないといえば仕方ないんだけど 『そこだね!ゆっくりそっちにいくからね!』 れいむはぴょんぴょんと音を頼りに赤ゆっくりの所へと向った 『ここ!ここ!』 『わかってるよ!ゆっくりそっちにいくよ!』 そして 『ゆっきゅり!』 『ゆべ!!』 捕食したんだ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― その呪術をした人は、ゆっくりが思い込みの力でどう変化するかを知りたかったみたいでね 真っ暗な空間も、知識の継承も、徐々に食べ物を変化していったのも、その為らしい ゆっくりが入れられるようになってから、元赤ゆっくりは凄まじい成長をしていった 例えば 『はやくあまあまをもってこいじいい!!!』 ゲスが入れられたら 『あまあま、ここ』 『ゆふん!いまそっちにいくんだぜ!』 ゲスを誘導して 『ゆえーん!ゆえーん!!おきゃあしゃーん!!』 赤ゆっくりが入れられたら 『そっちにゆっくりいくよ。おちびちゃんまっててね』 『ゆっきゅりりきゃいしちゃよ!』 赤ゆっくりに待つように言って 『おなかがすいたのぜ……むしさんがたべたいのぜ……』 お腹を空かせたゆっくりが入れられたら チリリリリリ…… 『ゆ!むしさんのおとがしたのぜ!まりさにゆっくりたべられるのぜ!』 虫の音を出したり 『ゆ?あまあまさんのにおいがするよ!』 『こっちからにおうよ!』 あまあまの匂いを出したり 『うー☆れみりゃはえれがんとなおぜうさまだどー☆』 グチャ れみりゃをあっさりと潰したり 『おお、こわいこわい』 ガシ 『おお、ほかくほかく』 きめえ丸をあっさりと捕まえたり もはやそれは、ゆっくりとは別の生命体としか思えないような、何かになってしまったんだ 『おなかいっぱい!』 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 壷に入れられる物はドンドンエスカレートしていった ゆっくりの次には小動物を その次には猛獣を どれも、壷のゆっくりは難なく捕食していった そして、最終的に 『おぎゃああ!!おぎゃああ!!!』 人間も 『俺、こいつを倒してお金を貰ったら、彼女への婚約指輪を買うんだ……』 難なく 『ヒャッハー!ゆっくりは虐待だー!』 捕食してしまえるように 『アルファチーム!応答しろ!』 『全滅!馬鹿な!?』 変化してしまった 『お腹、空いた……早く頂戴』 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 壷のゆっくりのデータは、ある程度は取れていた 音波でも光でもなく、何か別の物で捕食対象を認識 擬態も可能な模様。事実一部の人間が騙されて居る 外の存在を知って居る 喋り方は人間のソレと同じ 戦闘能力は、考えられる限り、壷に入れられた生物のソレを凌駕している 対毒物・薬物等の抵抗力は高く、また極端な低温・高温下でも捕食行動は可能 対水性もある ここまでくれば分かるけど、壷が壊されないのが不思議なスペックだった 何故そんな呪術をしたのかは知らないけど、少なくとも本来の目的には使えなかっただろうね ある時、その壷の廃棄が決定した いくらなんでも、餓死と寿命があるだろうと考えて、その壷を永遠に封印する事になったんだ 壷に厳重な鍵が付けられて、壷の内部観測装置も一切の停止が決定した それでこの話はお終い……になればよかったんだけど…… そんな変な物を作った天罰か、または運が悪かったのか あるいは、壷のゆっくりが何かしたのか 壷が壊れたんだ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 分かるとは思うけど 壷といっても、本当の壷じゃないよ だったら人間が入ったりする所がおかしいでしょ? それは大きな部屋でね、呪術をしていたのも、とあるゆっくり研究所の人 その部屋の扉が、壊されたんだ 理由は簡単な事 ただ、何も知らないゆっくりんぴーすが、虐げられているゆっくりを助けようといって、その研究所を襲 撃したって訳 研究材料だった、普通のゆっくりや、奇形ゆっくり 幾つかの資料も高性能な装置も、全てゆっくりんぴーすが壊してまわった 『この部屋も壊せ!』 そういって、部屋の扉を破壊したんだ その後? ゆっくりからすれば、それは新たな捕食対象が与えられたって事だからね だけど、特に誰かが死んだって話は聞いて無いよ 知能も高かったみたいだから、もしかしたらゆっくりんぴーすの誰かに擬態して、逃げ延びたのかもしれ ない 死んだのかどうか、それとも人として生きて居るのか、はたまたゆっくりとして生きて居るのか それは私には分からないさ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ん? 唐突過ぎる? かもね いくらゆっくりが思い込みで変化するからって、ここまで変化する筈が無い まあ、普通はそう思うだろうね この話だって、あくまで聞いた話だし、そんな事件が起こったって記録も見つかってない そもそも、そこまで研究者が暴走する事も無いはず だけど…… もし もしもだよ 記憶を無くしたゆっくりを作ってさ この話をしてさ 『この話の壷のゆっくりは、君だよ』 とでも言って、思い込ませたら どうなると思う? どんなゆっくりになると思う? ねえ 君は興味が無いかな? ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「終わり……最後のお話でした」 「あ、はい……ありがとうございました」 なんていうか……とんでもない話だった 話の中身はともかく……そうやって信じ込むゆっくりが居るかどうかか…… 「野生や野良が知ったら、大変だな」 「そうかな?個人的には身の程を弁えず、死ぬだけだと思うけど」 「どうしてそう思うんですか?」 「野良も野生も、基本的には強さの概念が逆だからね。アレに勝てるから強いじゃなくて、自分が強いか ら周りが弱いって」 逆って言うのかな…… 「この話をして信じてしまっても、きっと自分が強い、他が弱いって思考のままさ」 「自分が、話のゆっくりのように変化するって事は考えないって事か」 「そうね……そっちの方がゆっくりらしい」 「それこそ、記憶が全く無いゆっくりじゃない限り、心配無用って事だな」 どちらにせよ、それは人が何かしないといけないか そんなゆっくりが出来る心配はなくて、ただ結局自滅する輩が増える 哀れな奴等だ 「これで、全員が語ったんだな」 「ええ。皆さん、お疲れ様でした」 「この話を纏めた新聞、楽しみにして居るよ」 「さて、出て行く時もルールがあったよな……」 黒板に書かれた注意事項を見る 『注意事項 話す順番は任意です 話し終えた人は、直に立ち去ってもいい。最後まで聞いてもいい ただし、誰かと共に帰ってはいけない 仕切りの向こうでローブと仮面を脱いだらノックをしてください 鍵を開けます その後、外に出たら廊下のガラスをノックして、退出した事を知らせる事』 1人ずつ、順番は任意で外に出て行く 「私が最初でいいかしら?」 「異議無し」 「問題なし」 「ええ」 「次は俺でいいかな?トイレに行きたくて仕方ないんだ」 「ハハ。もちろんいいよ」 そんな感じで、語り部さん達は、ルールを守って出て行った 最後に残ったのは、俺と最後の語り部さんだ 「先でいいんですか?」 「ああ。実は君の部長に頼まれて、ここの片付けをしないといけないんだ」 「なるほど。残っていては邪魔ですからね」 「そういう事だ。新聞、良い物を書き上げてね」 「はい」 そうして俺もまた、仕切りの向こう側へと戻る こうして、ゆっくりに関係した怖い話を聞くのが終わった 後はコレを纏めて、新聞として貼り出すだけだ ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 次の日 「いやー、すまんな斉藤」 部室に入った俺に開口一番、部長が謝った 「?どうしたんですか部長」 「昨日の事だよ。さぞかし攻められただろう?」 「?そりゃ、なんだかんだで皆さんから怖い話を聞かされましたけど……」 まあ、攻められているといえば、そうとられなくもないけど…… 「いや、1人足りなかったろ?」 「……はい?」 終幕.X 『本当の7番目』へと続く 蛇足あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る
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ep.215「実家の蔵」「お札の儀式」実話恐怖体験談!本当にあった怖い話 朗読怪談 1.「実家の蔵」 2.「お札の儀式」 参加メンバー Tomo Kimura その他 名前 コメント すべてのコメントを見る
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クッパ城で会った怖いマルクに屈しない ◆wC9C3Zbq2k (非登録タグ) パロロワ ニコニコ動画バトルロワイアル 第219話 オペレータールーム。 マルクはパタが捕捉していた放送直前の遊戯たちの録画映像を見てつぶやく。 「ん~、遊戯くんは裏切ってくれそうにないね。せっかく身体を乗っ取る亡霊なんて入ってない同じ形のきれいなパズルをあげようと思ってたのに」 「いや、詐欺だろそれは」 「そうだ! キミにもあれをプレゼントしてあげないとね」 マルクが部下に取ってこさせた参加者用の首輪を拘束されたままのKASに再度着けようとし、ついでに見栄えの悪くなった彼の迷彩服は破き捨てる。 少女の透き通った肌がKASの眼前に迫ったとき、彼はそれがマルクであると理解してはいても紅潮しそうになる顔を逸らさずにはいられなかった。 「酷いことしてるんだから照れなくてもいいのさ。この首輪は博麗の巫女がボクと戦わずにキミだけさらっていったりしないための脅しだからね」 「マリオがクッパを無視してピーチ姫だけ奪い返すようなもんか。レムーならやりかねないな」 「自分を姫扱いだなんていい度胸だね。その言い方だと、助けに来てくれることは信じてるみたいだけど……気付いてるんでしょ? 彼女が見た目よりずっと非情だってこと」 疲れてきたとみたマルクがKASの精神面を揺さぶる。 知り合ったばかりの相手を助けるために罠に飛び込んでくるほど彼女は愚かなのか。周りにいる人間はそんな危険な行動を止めようとするのではないか。そもそもお前は助けに来てもらえるだけの価値のある人間なのか。 だが、KASはゆっくりと答える。 「来るさ」 「根拠のない自信はみっともないのさ。信じられなくて不安なんだろう? なにせ来てくれなきゃ人質の意味もなくなるものね! キャハハハハ!」 マルクの言葉を遮りながら、KASは続ける。 「あいつはお前を倒すって決めたはずだ。どんな罠だろうと仲間だろうと、レムーを止めきれるはずがない」 「仲間でも止められないって……ただの暴走?」 「何とでも言え。このリボンの持ち主は、俺以上に自重しないから」 マルクはそれっきり口を閉じたKASに不満を持ちながらも、同時に感心する。 確かに霊夢はこちらへ来るだろう。時々吹っ切れたようなそぶりも見せていたが、それはあくまで記憶通りの奔放な振る舞いを真似しているだけ。彼女が本来の状態に戻ることはない。 結界で全員に「高速飛行」を禁止しているため、彼女の基本特性である「空を飛ぶ程度の能力=何事にも束縛されない存在であること」にも今まで見てきた限り確実に影響が出ているのだ。 だから今までの経緯から見ても彼女は仲間が全力で引き止めでもしない限り救出に動くはず。 他に結界に手出しできそうな参加者はいない上に最高の弾幕ごっこが楽しめる。マルクにとってはいいことずくめのはずなのだが……何故だか不安がよぎった。 その苛立ちは拘束されたままのKASへとぶつける。 「人質が余裕ぶるのは気に食わないな。巫女の死体を見れば考えも変わるかな?」 「……弾幕『ごっこ』じゃなかったっけオイ? それに主催者がその気なら最初から全員殺せたっていう」 「あのときと違って、今やボクも飛び入り参加者の一員。このまま撃破数ゼロじゃ格好がつかないのサ。殺す気でやらないと能力制限のほとんどない彼女に勝つのは難しそうな雰囲気だしね」 来てくれるという確信はあっても、KAS自身が目の前の少女に敗北している以上根拠もなく霊夢なら必ず勝てると信じ切ることはさすがにできない。それでも不安をを振り払うかのように反論する。 「レムーなめてると虫歯になるぜマルキュー」 「⑨扱いしないでもらえる?」 「俺たちは……元の世界に帰るんだ! お前たちを倒してな!」 「ふーん」 沈黙ののち、マルクは告げた。 「元の世界に帰りたいなら、ボクたちだけじゃなく全員殺すべきじゃない?」 嘲笑うかと思っていたマルクがおかしな返答をしたのでKASは戸惑う。 「ノヴァは現在進行形で『バトルロワイアル』を実行しているから、他の願いは受け付けないはずなのサ。いまさら壊して回っても元の世界に戻れなくなるだけだよ?」 「えっと……すまん。言っていることがよくわからない」 「なーんだ。ギャラクティックノヴァのことも知らなかったんだ」 大雑把にマルクはKASにニコロワのシステムを説明する。 次第にKASの常に能天気だった顔が険しくなり始める。元が単純なだけにマルクも注視していなければ気付けなかっただろう。 「優勝した奴だけが元いた世界に戻れる……!?」 最初から説明されていた当たり前のことなのに、KASは驚きを隠さない。やっぱりこいつはバカなのだろうかとマルクは今更のように思った。 「ここからの脱出は不可能ではないけれど、生き残った中でこの平行世界に居場所があるのはカービィとボクと……あと一部のデジモンたちだけだね。 仲間も含めて皆殺しにすれば元の世界に帰れるし願いも叶うけど、主催を倒しただけで何かが変わるものでもないのサ」 首輪が外されて以降主催者が乱入しだしたことでもわかるでしょと屈託のない笑みで告げるマルク。 確かに戦場に姿を現すくらいなのだから殺し合いの中で全員死亡する可能性はある。だが本当に全滅させても終わらないなどとはKASも思っていなかった。 ニヤニヤとこちらの動揺を窺う少女の姿にKASは精一杯の反抗をする。 「地球によく似た星で暮らさなきゃいけなくなるのか。これがほんとの開拓者精神」 「うわっ、順応性高ッ! 気に入ったよ」 KASは言えなかった。外部からの助けさえ来れば元の世界に戻れるんじゃないかと。 聞くのが怖かったのだ。あらゆる生還の可能性が主催との対話で全て霧散してしまいそうなこの流れが。だからせめていつも通り強気に振る舞う。 胸の核鉄が己を生かし続ける限り、決して諦めてはいけないのだから。 「腋巫女をやっつけたら人質の役目は終わるわけだから、無造作に殺すのも盛り上がりに欠けるしキミは開放してあげるよ。 折角の三国志なんだからゲームに乗るなり孟獲みたいに七回くらい立ち向かってくるなりすればいいのサ」 「レムーは俺と帽子を交換した仲だぜ! 例えるならなの×フェ! 颯爽と登場して、お前なんかケチョンケチョンにしてくれるに決まってる!」 「……なんだか、いいライバルになれそうな気がしてきたよ。ボクを倒すのは霊夢じゃなくキミかもね」 「奇遇だな。てめーは俺が倒さなきゃいけない相手だった気がしてきたよ。レディーファーストでレムーに譲るからしょうがないけどな!」 「おっほっほっ。負けて拘束されている人間が言うことじゃないよそれ!」 ひとしきり笑ったあと、マルクは時計を見て言った。 「さて、ボクは今日は食堂で夕食にするつもりだからしばらく席を外すのサ。……ってあれ? なんだろうね」 オペレータールームの出口奥に見張りのデジモンたちが立ち、道を片方塞いでいる。マルクは気になってそちらへ歩いていった。 「お前たち何をしているのかな? 日替わり定食のあんかけチャーハンが楽しみなのはみんな同じなんだから、道は開けておいてもらわないと」 「くっ……。しかしマルクたんの願いであっても俺たちには退くわけにはいかない理由があるんッス!」「そうッス!」 「言ってごらんよ。つまらない理由だったら通常弾幕が降り注ぐだろうけど」 「禁則事項で」 ピチューン 「うう……マルクたんの愛の鞭は手加減されてても痛すぎるッス……」 平然と踏み越えてマルクは行く。邪魔だったのと、なんとなくそのほうが喜びそうな気もしたので。振り返ると案の定踏みつけたデジモンの顔は緩んでいる。 「ずいぶんと向こうが騒がしいよね。連中はサボって何をしているのサ?」 「あくまでたとえ話ですけどね。突然空から美少女が降ってきたらマルクたんならどうします?」 「ギャルゲーのプレイ動画を見すぎたんだなと思ってネットの時間を制限するよ」 「そんな……」 聞きだそうとしてもらちがあかない。ならば直接怒鳴りつけにいくまでだ。 食堂への少しずつ喧騒の強まる道をマルクは急いだ。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 「ぽよ。これもおいしい」 一目惚れした大勢のファンによって医務室に運ばれたはずのカービィだったが、腕の欠損も胸元の痕も傷としては既にほぼ完全に塞がっていた。 お医者さんごっこを期待していた取り巻きも全身にあったスリ傷の治療でしみる消毒に涙目になるその姿だけで充分満足し、くぅと鳴った彼女のおなかを満足させるために食堂へと連れて行ったのであるが…… その食堂で、いま伝説が生まれようとしていた。 「なあ、誰かあの子の名前聞いたのかよ。紳士の社交場なのに名前で呼べないとか」 「未だに教えてくれないんだよ。妹にしたいほどのかわいさで名前が内緒だから内緒妹でよくね?」 「いやいや、俺は隻腕の美少女だからアームちゃんと呼びたいね」 「あむちゃんか。それいいな! ピンク髪だし俺の美希がおにぎり食べるときの擬音だし。それにしても、あんなに嬉しそうにパクパクしてたら奢るしかないじゃないか……」 女の子には甘いものということで最初にゆとり達が注文したデザートを瞬殺し、だったらこれもいけるんじゃないかと冗談で誰かが言い出した特別メニュー『あんこ入りパスタライス』も片腕で難なくたいらげる。 右腕だけを駆使し、奢られたメニューを全て制覇しようかという勢いで食べ続ける彼女は、その気持ちのいい食べっぷりでどんどんギャラリーを増やしていた。 「出たぁー! あむちゃんの1秒間に10個ハンバーガー踊り食い!」 「すげぇよこれ。みんなにも召集かけてやらねーと……片腕だけが目で追えない速さで動いてるとかどんだけだよ」 「早食いなのに優雅ささえ感じるほどに自然体だな。追いつく量作ってる料理長もすげえし、奢る俺たちは超ヤベェ!」 ゲロッパうどんをすすりあげ、照り鶏にかぶりつき、もやし炒めやテラ豚丼を豪快に減らしてゆく。人間形態でも箸を持たせればこれくらい何のことはない。 カービィにとって通常量の食事をとることができたのはここへ来てから初日の早朝のみ。あのときの杏仁豆腐はおいしかったなぁと思いながら彼女は今までのことに思いをはせる。 みおん・谷口・いさ・アリス・ぴこ。ほかにもいっぱい。ここに来てから出会った優しいともだち。 なのにみんな戦いの中に巻き込まれ、既に何人もが帰らぬ人となった。記憶が戻った今、マルクをよく知っている自分こそが元凶である奴を倒さなければいけない。 そろそろまた放送のあるころだろうか。それとももう済んでいるころだろうか。今いるこの場所からではよくわからない。 ただ、これだけはわかる。この殺し合いを一刻も早く止めないといけない。 前人未到間違いなしの大食い記録に驚く観衆を気にも留めず、椅子から立ち上がる。 「そうだよ。マルクはどこっ!」 「呼んだかな?」 叫んだすぐその先、正面入口に悪魔の道化となった少女は立っていた。 「お前たち、十数人もが集まって何をしているかと思えば……仕事をサボって見かけない女の子とデートごっこを楽しんでたわけだ。 もし侵入者が忍び込んできたら手厚く歓迎してやれと言ってたかもしれないけど、そういう意味じゃないよ? 死にたいの?」 「ひいっ!」 酷薄な笑みを傍のデジモンに向けながらマルクはカービィに目をやる。 「ノヴァの外から来たのかな? ボクの名前をどこで知ったかは知らないけど、招かれざる客人は排除させてもらわないとね」 「?」 萌えもんパッチのバージョンが違うせいで外見も以前とは異なっていることと、マルクがカービィを完全に死亡したものと思っていたために生じた齟齬。 このときもし彼女こそが怨敵のカービィであると気付いていれば、マルクは放送結果を正当化する名目で容赦のない虐殺を行っていたことだろう。 「マルクたん勘弁してあげてください! この子は片腕を失ってるかわいそうな美少女なんです!」 「それを言うならボクだってフランちゃんの姿じゃなければ両手なんてついてないよ? でもまあ食堂で殺人は両方の意味で後味が悪いから命までは取らないのサ」 騒動の大きさに厨房からコックたちまで顔を出している。ここで血なまぐさいことをする気はマルクにもなかった。 「マルク! 殺し合いをやめさせるんだ!」 対してカービィは非常にやる気だった。一度は倒した相手である。今戦っても負けるとは思っていない。 一触即発の雰囲気を察してマルクは食堂にいる部下たちを下がらせた。 「この侵入者、ボクのことをなめすぎだよね。殺さない程度にここでやらせてもらうよ」 「俺達はマルクたんに従いますっ! 頑張ってマルクたん!」 「どうしちまったんだ同僚! マルクたんもいいけどあの子も違う良さがあるってさっきまで言ってたじゃないか!」 「うるせー! かわいいが正義は基本原則なんだから勝った方に萌えればいいんだよ!」 「なんだとー! どっちつかずのペド野郎が! 俺はこっちの子を応援するぜ!」 「俺もだ! ふくらみはないのにそれでいて柔らかそうなとことかたまんねぇ!」 口喧嘩を始める部下の醜態を呆れた顔で見つめたのち、マルクはカービィへ向き直る。 「やれやれ……これだからゆとりは。待たせたね。そうまで言うなら気の済むまでやってあげようじゃないか」 大気が軋みをあげるほどの急激な魔力開放。決して低くなかったマルクの魔力はパッチで妹様と化したことによる器の増大で以前より遥かに強まっている。 カービィも急いでコピー能力のファイアを撃てるよう準備を整えた。外見も美少女がマリオ3のファイアマリオになったような色合いへと変わる。 「せっかくだから弾幕の練習台になってもらうよ。キャハハハハ!」 狭い室内にいきなり四方向に弧状のカッターを飛ばしてくるマルク。長机が吹き飛び、または空中へ至る前に両断され、カッター本体をかわしきったカービィに降り注ぐ。 迎撃も考えたがファイアの威力では破片を瞬時に燃やし尽くすには至らない。これでは明らかに不利。カービィは潔くコピー能力をファイターに切り替える。 「また色が変わった!? 何なのサこいつは!」 「せいやあっ!」 跳び蹴りで距離を詰めると同時にその一撃を少女マルクの鳩尾に叩き込む。 ここから相手に反撃できる機会を与えないよう連係を決めればマルクといえど降参せざるを得ないだろう。 魔法使いは魔法に長けているがゆえに怪物化でもしない限り身体能力は決して高くない。 が、そんなカービィの目論見はあっさりと崩れ去った。二撃目は衝撃波に弾かれる。 「やるじゃないか。スペルカード発動~氷棺『ヴァニラ・アイス』だよ♪」 マルクがそう告げて衝撃波の発生源かと思われる何かの札をかざした途端、見覚えのある複数の黒い球が少量のばらまき型魔力弾とともに眼前に現れた。 これは昔戦ったときにも怪物化したマルクが吐き出してきたものだ。強烈な衝撃波を発生させる爆弾。名前から察するに氷結弾なのだろうか。とにかく吸い込める。 隙はあるのだが食堂という狭い場所では再度接近戦に持ち込むのは難しい。ならばいっそここは元の姿に戻って吸うべきか。 カービィがそう決めて駆け出した途端、ひどい悪寒がした。寸前でパッチを吐き出すことをやめ緊急停止を優先させる。 ガ オ ン 目の前を通り過ぎた黒い球が、食堂の壁を凍らせることなくそのまま消失させていった。 「うまくよけるね。カービィを騙せるよう開発した弾幕なんだけど、元を知らないと普通にかわせちゃうのかな? あいつはコイヅカ君が片付けてくれたし。ほっほっほっ」 カービィは愕然とする。力量差がありすぎる。 以前なら強敵だとは思っても勝てないだなんて思うことはなかった。だけど今のマルクにはこのままの自分では到底敵わない。この時点ですでに手加減されているのだ。 この狭い空間ならマルクが黒い球を出した後変身して突風を放っていれば間違いなく自分は殺されていた。わかってしまったがゆえに、寒気が走る。 「さあ、次は初見殺しを試してみようか。かわいい女の子を嬲るのは楽しいけど殺したいわけじゃないから、直撃しないよう努力してほしいな!」 マルクが先程とは違う色の札を掲げようとしていた。 カービィもより厳しい攻撃を予測し、本来のデラックス能力ではないハイリスクな手段に賭けることにする。城で日吉と亜美が特訓するのを眺め続けていたからこそ、今この場でもできると信じたい。 「ペイントっ!」 夕闇のキャンバスにはワインレッドの夕日を。紅き悪魔の道化には緋の呪印を。 片腕しかないこの身で狙い通りに描く困難さは、日吉の踊るような動きが解決してくれた。 見よう見まねのボブ術。アフロの西洋人を開祖とする一切の無駄を省いた塗りの手法がマルクのその身を染める。 これさえ決まればマルクだって紋様の効果で魔法が使いにくくなるはず。そう思ってカービィがやりとげた表情で顔を上げると、 「スペルカード発動~鋒矢『ヴィゾフニルの尾羽』♪」 大量に現れた白い魔力の矢が、横殴り気味に全て己の身を目掛けて降り注ごうとしているところだった。 武術を見て美術を学んだつもりになるのは愚かなことだったのかという後悔の中、カービィは無数の矢に全身を貫かれ、 気を失った。 「ぺっ。何だこれ油絵の具じゃないか。シャワー浴びたくらいじゃ取れないかも。ひどい攻撃だね」 意識もなくただ横たわる傷だらけの少女カービィを見下ろしながらマルクはそうつぶやき、避難していたギャラリーを呼び戻す。 「おーいお前たち。終わったから出てきな」 その大声で勝負がついたと理解した部下のデジモンたちが破壊された椅子や壁の跡に脅えながら戻ってきた。 「あむちゃん負けたの? 非殺傷設定っぽいけど気絶させて陵辱展開?」 「それにしてもひどく壊しましたねー。これじゃあ厨房は使えても食堂は使用不可にするしかありませんよ」 「冷凍庫のハーゲンダッツさえ残っていれば食堂が使えなくとも俺はまだまだ戦えるね!」 「あ、ゴメン。それなら俺が食った」 「んだと!? たとえ親方でもあんただけは許せねぇー!」 あいもかわらず統率も何もあったものではない。これ以上粛清してもどうにもなりそうにないので、見た目からして良識がありそうなコック帽をかぶったべジーモンにマルクは声をかける。 「お前は赤くないんだな。厨房係なのに悪いけど、この子を治療はしなくていいからハルバード内にある脱出ポッドに載せて宇宙へ送ってやってくれないかな?」 「かしこまりました。惚れ惚れするほどの大食いを見せてくれた方ですから、命令に逆らうようで申し訳ないのですが治療だけさせてもらってから送らせて頂きます」 「そうしたいならそうすればいいよ。ボクは参加者でもない雑魚に構ってる暇なんてないからさ。ほら、来てくれる巫女に出すお茶もいいのを選ばなきゃいけないし」 マルクはそう言い終えると、自らが暴れたことによって無残な姿を晒している食堂内を見回す。 (……やりすぎちゃったね。ボロボロだ) これではしれっとあんかけチャーハンを注文するのがためらわれるどころか、この先多くの部下が食事をする場所に困るに違いない。 「いいなーべジーモン。合法的に少女を密室に連れ込めるんだぜ?」 「そっかー脱出ポッドは密室だもんなー。何でもできるよなー」 思い直す。気にする必要はなかった。こんなにもサボり魔が群れられるほど人手は余っている。これでどうして見張りやシステム管理がいっぱいいっぱいなのだろうと思うほどに。 半数が交代から戻ってきた見張りだとしても、残り半数の説明がつかない。ほんとなんなんだろうこいつらは。 「そこの仕事をサボってた十数名は全員ここの片付けが終わるまで夕食禁止なのサ! 椅子や机はもう使ってない一番奥の会議室から持ってくること。ほらさっさと動く!」 「ちぇー。マルクたんが負けてればよかったのに」 マルクが指示を出すとようやくとろとろと動き出すデジモンたち。面と向かってピエモンに人選について文句を言うつもりはないが、ゆとりが多すぎるのは困るとマルクは思った。 「じゃあボクはオペレータールームに戻るよ。冷蔵庫からおやつだけもらっておいたからね」 そう言い残してマルクは食堂から消えた。 残ったのは厨房係のベジーモンと傷だらけの少女、そして大量のロリコ…デジモン達。 「う、うぅ……」 「あれ? この子ひょっとして目を覚ますんじゃね?」 「まだ触り心地も確かめてないのに?」 「あなたたちはどいてて下さい! 色々と有害です! さあ復旧作業に戻って戻って!」 マルクに信頼されたという自負のあるべジーモンがゆとりデジモンどもを押しのける。 軽く意識が飛んでいたカービィが目を開けて最初に見たものは、彼の白いコック帽。 「えっと……マルクは?」 「あなたはマルク様に負けたんです。命を取ったりはしませんが、これから傷の治療だけして宇宙漂流刑を受けてもらうことになります。けっこう生存率は高いそうですが……」 いやだ。カービィは思った。 ここで宇宙の外へ放り出されたら今は平気でもたぶん餓死してしまう。 ひょっとしたら運の良さには定評があるから生き残ることができるかもしれない。 でも、そのかわりに、みんなを助けることも、マルクと決着をつけることも、きっとなにもかも二度とできなくなってしまう。そして大切な友達がみんな殺されてしまう。 けれど全身を射られ体はもうほとんどいうことを聞いてくれない。久々に美味しいものをあんなに食べたのに、この体はまだ食べ足りないとでもいうのだろうか。 ……いや、その通りだ。 まだ手はあった。しかし、それは最低の手段ともいってよかった。 「ゲハッ。ケホッ、ケホケホッ」 「大丈夫ですか?」 ベジーモンが急に背を丸めて咳き込み始めたカービィを心配する。彼が背を撫でたおかげで彼女の咳は収まり、直後割れたCDが口から吐き出された。 未発達の幼い少女の身体だったその容姿が、さらに小さくなってゆく。 「え、ええっ! お前は!?」 カービィは元の大きさに戻り、自らの倍以上の大きさはあるベジーモンの顎に一撃入れて無理やり吸い込んだ。そのまま彼の存在を自分の力に変換してコピー能力を発動させる。 同時に周りにいた全てのデジモン―――いわゆる雑魚敵。そう思いたかった。 けれど違うと理解していた。偽りの姿とはいえ自分を愛してくれていた、そんな心優しきロリコンたちが、巨大な大鍋の中に次々と吸い込まれていく。 「あむちゃん大丈……!? カー」「うるさいなぁベジー」「ニャーニャー」「す、吸い寄せられっ」「片付け手伝えよおま」「何が起こっ」「うわぁああああ」 彼らは全て、『コック』の能力で体力回復のための食料へと変わるのだ。 カービィは断末魔の叫びがいつまでも聞こえてくる気がして目を閉じる。 彼らは主催者の部下だったというだけで決して敵対する存在ではなかったというのに。 それでも、自らの意思で殺した。完全回復するためだけにみんな殺した。 「つみはぜんぶ背負うよ。許してほしいなんて、いわない」 もうぽよぽよ言っていた過去の自分ではない。 何をしてでもマルクを止めたかった。間違った選択だったかもしれない。けれど、ここで立ち止まっては全てが無駄になってしまう。 今のままでは奴には勝てない。誰かと協力した上で、より強いコピー能力も入手しないといけない。 仲間の力と幻想級の能力をコピーできる機会があればきっと今のマルクとも渡り合えるはずだ。 そう信じてカービィは人の気配のしなくなったボロボロの食堂を飛び出し、城内を往く。 未だここがどこなのかも正しく理解しないまま……。 【クッパ城/二日目・夜】 【カービィ@星のカービィ】 [状態]:元のピンク玉、左腕喪失、胸部から腹部?にかけて傷痕、体力全快 [装備]:なし [道具]:支給品一式(食料全消費)、土鍋@ねこ鍋 [思考・状況] 1.マルクを倒すために、仲間と合流したい 2.マルクを倒せる武器か能力を探し出す ※第七回放送を聞いていません ※カービィ派の下っ端デジモンはほぼ全員が「行方不明」になりました。 このため深刻な人手不足が発生するはずです ※銀河に願いをの記憶を取り戻し、五つのコピー能力が自由に使えるようになりました。 うちストーン・ファイア・ファイターが判明済み。ペイントはデラックス能力ではなく習得していた使い捨て技能なので含まれないはずです ※若干、知能がアップしたような気がしない事もないです。 ※ねこ鍋の中にいた猫がどうなったかは想像にお任せします ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 「ただいまー。早速で悪いけど霊夢は来そうかな? まだならレヴァンテインの行方を調べてほしいのサ」 食堂から帰ってきたマルクを見てオペレーターたちは仰天した。 「どうしたんですか! 血まみれじゃないですか!?」 ペイントされたせいでそう見えてしまうだけなのだが、鮮血の似合う外見なだけに初見でこれを塗料とと見抜ける人間はそうはいない。 「会場外から変な子が紛れ込んできててて、絵の具で攻撃されちゃったのサ。でもおかげで弾幕ごっこで本番さながらのウォームアップができたよ」 しれっと戦闘してきたというマルクに周囲がたじろぐが、当人は気にしない。 「やっぱりフランちゃんならレーヴァテインが必要だね。ないものねだりはいけないと思って魔法の矢の弾幕を尾羽に見立てたけど、イマイチだったのサ」 「魔法とかずるいよな。矢はちゃんと弓で撃つもんだ」 KASがつっこむ。が、マルクも即座に言い返す。 「剣でもあり弓でもあるあのデバイスなら両方使えてぴったりだね! 壊れてないといいなー」 そう言いながら椅子に座ろうとし、絵の具を浴びたことを思い出してとりやめる。 「おっと、シャワー浴びてこないと汚れちゃってたね。KASも一緒に入るかい? 拘束がきつすぎて身動き取れないだろうから代わりに洗ってあげるよ?」 「な、なんだってー!」 オペレーターたちの嫉妬の混ざった怒声が響く。当のKASはといえばそんなことはどうでもいいというかのように平然とマルクに質問した。 「なあ……なんで主催者なのに自分の命まで賭けるんだ? 怖くないのか?」 「そのほうが楽しいと思ったからサ。死って怖くなくちゃダメなの?」 「そか。風呂なら一人で行ってくれ」 何か思うところがあったのか、KASは目を閉じ考え事を始める。 マルクも楽しいことができなくなる死が全く怖くないわけではない。 溶岩に落とされようと何をされようと次回作にはちゃんと出てくるクッパを見習って城での戦闘には一応の保険もかけてある。 けれど、言ったことも本音だった。楽しそうなことならせずにいられるはずがない。 ロワを盛り上げながら遂行することだけが目的なら殺し合いに乗らず主催に反逆しようとする危険な参加者の行動を見逃し続ける必要などないのだ。 優勝者が出ない流れになるようならラスボスになると決めていたからこそ、殺し合いに向かない脱出用アイテムも用意したし、首輪の爆破命令は度を過ぎていると思われる場面でもしなかった。 どうすれば面白い動画になるかと考えた結果、基準が自分だから自然とそうなってしまったのだ。 もう終盤。派手な最終戦でニコニコオールスター仲間入りを目指せるだけの面白さにできるよう、あと少し頑張らなければいけない。 「ボクすら楽しませられないようなら、その罰は全滅だからね! ほっほっほっほっほ!」 【クッパ城オペレータールーム/二日目・夜】 【マルク@星のカービィ】 [状態] 体の複数箇所打撲(ほぼ回復)、悪魔の道化、絵の具の赤で染められた [装備] 萌えもんアカギパッチ@萌えっ娘もんすたぁ [道具] 超進化プラグインS*4@デジタルモンスター [思考・状況] 基本:自分の楽しみのため、オールスター入りを果たすため、なんとしてもバトロワを完遂させる。 1:まずはシャワー! 覗いたらメッなのサ 2:なんか妙な事になっちゃったけど、まあいいや。レバ剣あたりを手に入れて今後のために弾幕を改良していく 3:KASを人質にして霊夢を連れてこさせ、ラスボス戦に相応しい超弾幕バトルを繰り広げる。 4:三国志状態ももう終わるかな? ラスボスとして準備を始める。 ラスボスを他の奴に譲るつもりはない。 5:遊戯を言葉巧みに騙し、仲間に引き入れたかった。惜しいなぁ 6:ピエモン無事かなあ ※涼宮ハルヒ、永井博之、カービィの三人は死んだと勘違いしています ※霊夢の性格に制限が効いているという推測はどうやらハズレのようです ※レヴァンテインが散ったことをまだ知りません ※クッパ城内部でのマルクの評価がさらに高まりました。カービィ派のデジモンはもうほとんどいません。 これによりクッパ城内部のデジモンはマルクの命令を優先します。マルク>ピエモン ※城の結界の一部に損傷があったようです。現在ビッグマメモンが修復中です。 ※ピエモン支援隊がクッパ城を出発し、ピエモンの元へ向かっています 【KAS@KAS動画】 [状態]:拘束、首輪装着、重傷(若干回復)、右拳骨にヒビ、お尻に火傷、チビマリオ、知恵熱 [装備]:シルバースキン@真赤な誓い、洞爺湖の木刀@銀魂、レムーのリボン(バンダナ)、首輪探知機(残り電池80%)@バトルロワイヤル、M1911A1@MGS3残り弾数(7/7) [道具]: [思考・状況] 1.やっぱり暇だ………… 2.この状況を打開したい。このままじゃ一人でトイレにも行けねー 3.このクソゲーをぶち壊してこいつを土下座させても、悪い奴以外全員生き返らせたりはできないってことなのか? うーん……わからん 4.レムーはきっとみんなと来てくれる! というかはやく来て! 5.閣下の分も生きる。絶対に生き残る 6.あのカード、どこ行ったんだろ? 7.笛が気になる。 あれがもう一本あればボスの所まで行けるはず……って既にここじゃねーか! 8.なんであんな所に孔明の罠があったんだ? ※ニコニコ動画に関する記憶が完全に戻りました。 ※涼宮ハルヒ、永井博之、カービィの三人が死んだと勘違いしています。 sm218:神様ゲーム 時系列順 sm220:えーりんと闇AIBOに死ぬほど言葉攻めされて涙目なピエモンB(前編) sm218:神様ゲーム 投下順 sm220:えーりんと闇AIBOに死ぬほど言葉攻めされて涙目なピエモンB(前編) sm215:THE 最終局面(後) カービィ sm224:カービィのキャッスルトライアル sm216:第七回定時放送 マルク sm222:伝説のパソコンハッキング~裸間撮影、パシャ☆ sm216:第七回定時放送 KAS sm222:伝説のパソコンハッキング~裸間撮影、パシャ☆
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ep.683 みんなは子どもの頃何かやった?「子どもの頃にやったイタズラが怖い」 放送内容 エスカレーターの非常停止ボタンを押した 関連エピソード → 調査中 炎のリング事件 → ep.55「にせもの」「アステカの祭壇」朗読・考察 K-sukeの鉄板ネタ 電気マッサージ器 → オカルト?ラジオ ミニ ep.01 怪談? 怖い話?「サブチャンに引っ越しました」 参加メンバー Tomo Kimura その他 登録されたタグ CLUB BIRTH Kimura企画 KinKi Kids 『家なき子2』 うさぎ イタズラ エスカレーター オロナミンC ガードレール スズメバチ タケノコ掘り女児行方不明事件 トラック ドーベルマン ニワトリ パラコート連続毒殺事件 ビン ミツバチ ヤクザ 器物破損 埋め立て 底なし沼 明智光秀 明海埠頭 暴力団事務所 暴年会 業務上過失致死傷 欠陥工事 水門 洪水 消火栓 火事 炎のリング 町内会長 縁石 缶 自販機 花火 行方不明 表彰 豊橋健康ランド 車 連発花火・乱玉 酔っ払い 釣り堀 錦鯉 非常ベル 非常停止ボタン 黒板消し ⇐PREV NEXT⇒ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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ep.586 恐怖実話体験談!本当にあった怖い話「忘れていた理由」 朗読怪談 「忘れていた理由」(投稿者:ちいたけ) 参加メンバー Tomo Kimura K-suke その他 登録されたタグ K-sukeの元カノ 『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』 えびせん ちょい食い はやせやすひろ アドバイザー アロワナ カドワラ トクモリザウルス ドローン ヤースー 三人共通の知り合い霊能力者の女性 中国 体調 信仰心 修学旅行 共感覚 募集案件 呪い 呪い返し 呪物 土産物 天然 夫 姉 子 守護霊 家相 幽霊 廊下 式神使いの馬の魂と入れ替わった霊能力者でバンドマンの男の子 弟 従兄弟 御守り 恐怖実話体験談 恨み 手荷物検査 新スタジオ 村 死化粧 海老 火葬場 煩悩 父 理性 白木屋 祖母 祭り 空港 置物 老婆 自殺 葬式 言葉の色 部屋 都市ボーイズ 金縛り 金魚 長野県 間取り 除霊 除霊線 霊媒師 霊障 鬱病 龍蝦片 X線 ⇐PREV NEXT⇒ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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ep.188「引っ張る者」「橋の向こう」恐怖実話体験談!本当にあった怖い話 朗読怪談 1.「引っ張る者」 2.「橋の向こう」 参加メンバー Tomo Kimura その他 名前 コメント すべてのコメントを見る
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